ヒプノセラピー(催眠療法)とは、簡単に言えば、潜在意識に安心・安全にアクセスできるツールであり心理療法の一種です。
「催眠」と聞くとメディアのショー催眠の影響で「洗脳」や「マインドコントロール」をイメージする人が多いかもしれませんが、私たちは恒常的に「催眠状態」になっています。
1日に10回程度、催眠状態になっているので、催眠はなんら特別なものではありません。
例えば、電車に揺られて移動中に、電車の揺れが心地よいリズムに感じ、深いリラックスを感じたり、車の運転中にふとアイデアが浮かんだり、寝入り端のウトウトしている時など、わたしたちは通常とは違う時間感覚や緩みやリラックス、集中を得ています。
「集中とリラックス」。
これが「催眠状態」です。
そのとき、私たちの内側で何が起こっているか?と言うと、日常、言語や目に見えるものが優位(顕在意識)に生きているわたしたちは、1日に10回程度、非言語の体感覚や感情、イメージなどが優位(潜在意識)になります。
ヒプノセラピーは、この潜在意識優位の状態になるメカニズムを活用して行う心理療法のことで、ヒプノセラピストは、クライアント自ら潜在にアクセスできるように、ナビゲーションする伴走者的役割と言えます。
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「潜在意識」には時間の概念がありません。
過去・現在・未来、全てが同時存在しています。
そして問いに対する全ての答えもここに存在しています。
ですから、未来も臨場感をもって今のように体験をすることができるし、過去を追体験することも可能です。
そのプロセスにおいて、過去の認識の書き換わりが起こったり、今や未来の意味づけが変わります。
潜在意識について
潜在意識とは一言で言えばクラウドのような「データベース」です。
これまでの記憶の全てが、情報としてGoogleのように潜在意識というデータベースに無数に存在していて、検索キーワードを与えると、キーワードにまつわる情報が的確に抽出できます。
催眠療法では、クライアントに対するセラピストの質問が、上記で言うところの「検索キーワード」になり、検索キーワードに関わるイメージや日言語の情報が、潜在意識から抽出されます。
あまりに膨大な量の情報ですから、わたしたちは普段この潜在意識内の情報の全てを認識することはできません。
日常生活をしている時の我々は、顕在意識が優位な状態で、顕在意識優位の状態では、潜在意識の情報全体の3%ほどしか認識することができません。
潜在意識の主な特徴は
●イメージと体験の区別がつかない
●時間・空間(距離)善悪二元論などの概念がない
●「いま」しかない
●インプットされた情報(記憶)は現実化する
●「〜ない」などの語尾が通じない
などがあり、催眠療法では、これらの特徴と催眠のメカニズムを活用し、安心安全のもと施療します。